2008年、日本と英国は外交関係樹立150周年を迎えます。1858年8月26日(旧暦7月18日)に当時の江戸(現在の東京)での日英修好通商条約の締結により、両国の外交関係が開設され、交流が本格化しました。 安政の五カ国条約のひとつとして締結された日英修好通商条約の内容は、日米間の交渉をほぼ踏襲しており、日英間に固有のものではありません。また、これらの条約については、日本にとり不平等な内容を含み ―関税自主決定権及び居住外国人に対する裁判管轄権の欠如―、その後の改正に多くの苦労を伴ったことが、日本では強調されがちです。しかしまぎれもない事実は、日英修好通商条約は、今日に至る日英関係の始まりを記すものであり、両国の交流の歴史にとって最も重要な出来事の一つと言えるでしょう。 過去150年の日英関係は、大まかに言えば関係が良好な100年と困難な50年でした。鉄道、建築、科学技術をはじめ、初期の日英間の交流では日本が英国から学ぶことが多かったのは事実ですが、英国側条約締結者であるエルギン卿の秘書として1858年に日本に同行したオリファントの日記には、当時の日本人に対する多くの賞賛の言葉が記述されています。ともに大陸に近接した小さな島国である日本と英国の人々の気質には様々な共通点があると言われます。実際に私たち日本人は英国に住んでみても、なんとも言えない居心地の良さを感じることが多いと思いますが、150年前に遡っても、あてはまるところがあったのでしょう。 2008年8月26日の締結記念日にちなみ、今年の9月はじめから来2009年末まで続くお祝いを通じ、150年間の交流の歴史を振り返り、今ともに直面する課題を検討し、今後の交流のあり方を見ていくことができる行事が多く開催されることが期待されます。150年の交流の歴史に関する講演会、日本の伝統と未来の双方を代表する大がかりな文化行事、地球規模の環境や経済問題を考えるシンポジウム、青少年交流の促進行事、日英の地方都市を結ぶ行事など、分野、世代、地域にまたがる多くの行事が英国全土で展開され、日英両の人々がとともに活動し、考える一年にしませんか。
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